かむらいそた
明治〜昭和 / 新興芸術派
嘉村礒多(1897年12月15日-1933年11月30日)は山口県仁保出身の私小説家。若干6年間で約30編の短編を発表し、当時高い評価を得た。結核性腹膜炎により昭和8年に早逝したが、真宗への傾倒と近角常観の影響を受けつつ、自己告白的な破滅型私小説で知られる。代表作には『業苦』『崖の下』などがある。
代表作
途上
とじょう
初出:「中央公論」1932(昭和7)年2月
業苦
ごうく
初出:不明
7c19b2f78a23さんの感想
故郷に妻子、父妹を棄て、恋人と東京へ駆け落ちした圭一郎。定まらぬ心、落ち着かぬ心情が痛々しい。貧しさや呵責に苛まれながらも生活の基礎を築こうとする2人だが、未来に希望が見えぬまま物語は終わってしまう。悲壮感が作品全体に漂っていた。これが私小説の迫力かと思う。
崖の下
がけのした
足相撲
あしずもう
19双之川喜41さんの感想
滅茶苦茶な 生活破綻作家のところに 毎日 通い詰めて 何しにで張るかは 良く判らないけど 足で蹴り合い 脛(すね)が火傷のように痛み それでも 先生の苛烈な高ぶった心魂に 私淑(ししゅく)している。 文学修行は 脛(すね)が丈夫でないと つとまらないと感じた。
滑川畔にて
なめりがわほとりにて
磯多は 度肝を抜かれるような文章を書くこともあるけど これは北鎌倉▫江ノ島▫由比ヶ浜辺りの 紀行文である。 「寄ってらっしゃい 休んでらっしゃい」と言う 呼び込みの声は かすかに耳の底に 残っている。 島の客引きは にぎわいの あかしだったと思った。
故郷に帰りゆくこころ
こきょうにかえりゆくこころ
0c2892c2e65fさんの感想
雪舟と作者の故郷山口県との関わりをめぐる作品。いわば小説とも随筆ともとれる小品ではあるが忘れ難い味わいある余韻あふれた名文である。