青空文庫

「名君忠之」の感想

名君忠之

めいくんただゆき

夢野久作44
下級官吏の描写武士の倫理歴史的人物の描写厳粛緊張

書き出し

一この話の中に活躍する延寿国資と、金剛兵衛盛高の二銘刀は東京の愛剣家、杉山其日庵氏の秘蔵となって現存している。従ってこの話は、黒田藩に起った事実を脚色したものであるが、しかし人名、町名と時代は差障りがあるから仮作にしておいた。悪からず諒恕して頂きたい。「不埒な奴……すぐに与九郎奴の家禄を取上げて追放せい。薩州の家来になれと言うて国境から敲き放せ。よいか。申付けたぞ」数本の桜の大樹が、美事に返咲きし

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