青空文庫

「間諜座事件」の感想

間諜座事件

かんちょうざじけん

初出:「日曜報知」1932(昭和7)年10月

海野十三29
下町風土探偵小説時代劇怪奇緊張

書き出し

1これは或るスパイ事件だ。ところで、これから述べてゆく其の物語の中には、日本人の名前ばかりが、ズラズラと出てくるのだが、読者諸君は、それ等を悉く真の日本人だと早合点されてはいけない。実はその間諜一味は××人なのである。本来ならば「丸木花作事本名張学霖は……」といった風に書くのが本当なのであるが、それを一々書くのが、煩しい程、××人が出てくることであるから、一つ思切って、味噌も糞も悉く日本人名前の方

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