ゴールデン・バットじけん
初出:「新青年」1933(昭和8)年10月号
書き出し
1あの夜更、どうしてあの寂しい裏街を歩いていたのかと訊かれると、私はすこし顔が赭くなるのだ。兎に角、あれは省線の駅の近所まで出て、円タクを拾うつもりで歩いていたのだった。連れが一人あった。帆村荘六なる男である。——例の素人探偵の帆村氏だった。「君の好きらしい少女は、いつの間にやら居なくなったじゃないか」と帆村が云った。「うむ——」私は丁度そのとき、道を歩きながら、その少女のことを胸に描いていたとこ…
右門捕物帖
半七捕物帳
麻雀殺人事件