青空文庫

「右門捕物帖」の感想

右門捕物帖

うもんとりものちょう

36 子持ちすずり

36 こもちすずり

下町風土探偵小説時代劇叙情的回顧的静謐

書き出し

1その第三十六番てがらです。事の起きたのは正月中旬、えりにえってまたやぶ入りの十五日でした。「えへへ……話せるね、まったく。一月万歳、雪やこんこん、ちくしょうめ、降りやがるなと思ったら、きょうにかぎってこのとおりのぽかぽか天気なんだからね。さあ行きましょ、だんな、出かけますよ」天下、この日を喜ばぬ者はない。したがって、伝六がおびただしくはめをはずしてやって来たとて、不思議はないのです。「腹がたつね

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