青空文庫

「美術上の婦人」の感想

美術上の婦人

びじゅつじょうのふじん

岸田劉生20
文学批評芸術家描写芸術論分析的厳粛

書き出し

婦人は美くしいものである。だから婦人は画家にとつて何時の時代でもよき画材とされてゐる。古来からの名画の中には婦人を描いたものは甚だ多い、もし古今東西の美術の中から「婦人」を除いたら実に寂寥たるものであらう。実に「女ならでは夜の明けぬ」は只にこの世のみの事ではない。美術の王国は美のみの国だけに一層に婦人を尊しとするのである。一体、美術、殊に絵画の極は何と云つても人物画につきると云つても過言ではない程

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