青空文庫

「血の文字」の感想

血の文字

ちのもじ

初出:「綾にしき」1892(明治25)年8月

黒岩涙香133
下宿生活奇人描写探偵小説虚構と真実回顧的怪奇鬱屈

書き出し

前置(著者の)「あア/\斯うも警察のお手が能く行届き、何うしても逃れぬ事が出来ぬと知たら、決して悪事は働かぬ所だッたのに」とは或罪人が己れの悪事露見して判事の前に引据られし時の懺悔の言葉なりとかや、余は此言葉を聞き此記録を書綴る心を起しぬ、此記録を読むものは何人も悪事を働きては間職に合わぬことを覚り、算盤珠に掛けても正直に暮すほど利益な事は無きを知らん、殊に今日は鉄道も有り電信も有る世界にて警察の

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