青空文庫

「砂がき」の感想

砂がき

すながき

竹久夢二112
喪失と記憶季節の移ろい孤絶恋愛観の相対化回顧的寂寥憂鬱

書き出し

十字架”神は彼を罰して一人の女性の手にわたし給へり”ああ、わが負へる白き十字架。わが負へる柔き十字架。人も見よ。わが負へる美しき十字架。心飢ゆひもじいと言つては人間の恥でせうか。垣根に添うた小徑をゆきかへる私は決して惡漢のたぐひではありませんよその厨からもれる味噌汁の匂が戀しいのです。故郷いい年をしてホームシツクでもありますまい。だが、泥棒でさへどうかすると故郷を見にゆきます。生れた故郷が戀しいか

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