青空文庫

「消息一通」の感想

消息一通

しょうそくいっつう

一九二四年一月一日マールブルク

せんきゅうひゃくにじゅうよねんいちがつついたちマールブルク

三木25
創作背景学問的考察文壇交友分析的回顧的

書き出し

新年お目出度う存じます。去年はハイデルベルクで迎へた正月を、今年はマールブルクで迎へました。大晦日の夜には悪霊を追払ふと云ふ意味で、昔独逸では戸外に盛んに発砲する習慣があつたさうです。今でも昔気質の人はこの夜十二時が打つと同時に、高い椅子の上から飛び降りると云ひます。新しい年の中へ勢よく飛び込むと云ふ意味ださうです。私は歳晩にあつて数年前に作つたひとつの歌をまた思ひ出しました。つかのまの熱と光を求

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