青空文庫

「十二支考」の感想

十二支考

じゅうにしこう

03 田原藤太竜宮入りの話

03 たわらとうだりゅうぐういりのはなし

初出:「太陽 二二ノ一、二二ノ二、二二ノ三」博文館、1916(大正5)年1月、2月、3月

南方熊楠182
創作背景古典の翻案民俗学厳粛学術的

書き出し

話の本文この話は予の知るところでは、『太平記』十五巻に出たのが最も古い完全な物らしい、馬琴の『昔語質屋庫』二に、ある書にいわくと冒頭して引いた文も多分それから抄出したと見える。その『太平記』の文は次のごとし。いわく、(延元元年正月、官軍三井寺攻めに)前々炎上の時は、寺門の衆徒、これを一大事にして隠しける九乳の鳧鐘も、取る人なければ、空しく焼けて地に落ちたり、この鐘と申すは、昔竜宮城より伝はりたる鐘

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