ほどう
初出:「婦人之友」1932(昭和7)年1~4月号(著者検挙のため未完)
書き出し
一あっちこっちで帰り支度がはじまった。ビルディング内の生暖かい重い空気が急にしまりなくなって、セカセカかき立てられた。ミサ子は紫っぽい事務服を着てタイプライタアをうっている。かわり番こにワイシャツにチョッキ姿の社員が手洗いに出たり入ったりした。大声で、「ああ、ありゃダメさ!」廊下の誰かと話しながら肩でドアを押して入って来る者もある。ミサ子は、その中でわき目もふらずタイプライタアを打ちつづけた。もう…
機械
鎖工場
三つの窓