青空文庫

「樹木とその葉」の感想

樹木とその葉

じゅもくとそのは

27 春の二三日

27 はるのにさんにち

若山牧水15
下宿生活作家の日常季節の移ろい叙情的静謐

書き出し

くもり日は頭重かるわが癖のけふも出で來て歩む松原三月××日千本松原を詠んだなかの一首に斯んな歌があつたが、けふもまたその頭の重い曇り日であつた。朝からどんよりと曇つてゐた。非常に急ぎの歌の選をやつてゐたが一向に氣が乘らない。五首見て一ぷく、十首見ては一服と煙草ばかり吸つていつの間にか晝近くなつてゐたところへ、近所の服部さんの宅から使が來た。庭の紅梅が過ぎかけたから見にいらつしやい、一緒にお晝をたべ

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