青空文庫

「自由画稿」の感想

自由画稿

じゆうがこう

初出:「中央公論」1935(昭和10)年1月~5月

寺田寅彦121
作家の日常創作背景学問的考察文学不信内省的分析的懐古

書き出し

はしがきこれからしばらく続けて筆を執ろうとする随筆断片の一集団に前もって総括的な題をつけようとすると存外むつかしい。書いてゆくうちに何を書くことになるかもわからないのに、もし初めに下手な題をつけておくとあとになってその題に気兼ねして書きたいことが自在に書けなくなるという恐れがある。それだから、いつもは、題などはつけないで書きたいことをおしまいまで書いてしまって、なんべんも読み返して手を入れた上で、

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