青空文庫

「歌よみに与ふる書」の感想

歌よみに与ふる書

うたよみにあたうるしょ

正岡子規49
作家の日常文学批評芸術論分析的厳粛

書き出し

歌よみに与ふる書仰の如く近来和歌は一向に振ひ不申候。正直に申し候へば万葉以来実朝以来一向に振ひ不申候。実朝といふ人は三十にも足らで、いざこれからといふ処にてあへなき最期を遂げられ誠に残念致し候。あの人をして今十年も活かして置いたならどんなに名歌を沢山残したかも知れ不申候。とにかくに第一流の歌人と存候。強ち人丸・赤人の余唾を舐るでもなく、固より貫之・定家の糟粕をしやぶるでもなく、自己の本領屹然として

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