青空文庫

「渦巻ける烏の群」の感想

渦巻ける烏の群

うずまけるからすのむれ

黒島伝治45
下層階級の描写孤絶戦争描写憂鬱静謐

書き出し

一「アナタア、ザンパン、頂だい。」子供達は青い眼を持っていた。そして、毛のすり切れてしまった破れ外套にくるまって、頭を襟の中に埋めるようにすくんでいた。娘もいた。少年もいた。靴が破れていた。そこへ、針のような雪がはみこんでいる。松木は、防寒靴をはき、ズボンのポケットに両手を突きこんで、炊事場の入口に立っていた。風に吹きつけられた雪が、窓硝子を押し破りそうに積りかかっていた。谷間の泉から湧き出る水は

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