青空文庫

「記録狂時代」の感想

記録狂時代

きろくきょうじだい

初出:「東京朝日」1933(昭和8)年6月

寺田寅彦12
学問的考察文明開化歴史的背景風刺的分析的懐古軽妙

書き出し

何事でも「世界第一」という名前の好きなアメリカに、レコード熱の盛んなのは当然のことであるが、一九二九年はこのレコード熱がもっとも猖獗をきわめた年であって、その熱病が欧州にまでも蔓延した。この結果としてこの一年間にいろいろの珍しいレコードが多数にできあがった。それら記録の中で毛色の変わったのを若干拾いだした記事が机上の小冊子の中で見つかったから紹介する。シカゴ市のある男は七十九秒間に生玉子を四十個ま

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