十二支考
じゅうにしこう
09 犬に関する伝説
09 いぬにかんするでんせつ
初出:1「太陽 二八ノ二」博文館、1922(大正11)年2月
南方熊楠約83分
創作背景古典の翻案民俗学叙情的学術的懐古
書き出し
1南洋ニュウブリツン土人の説に、犬はもと直立して歩み甚だ速やかに走って多くの人を殺した。そこで生き残った人間が相談して、麪包果を極めて熱しその種子を犬の通路に撒いた。犬これを踏んで足を焼き、倒れて手をも焦し、それより立って歩む事叶わず。その種子今も、犬の足の裏に球となって残りあるという(一九一〇年版、ジョージ・ブラウンの『メラネシアンスおよびポリネシアンス』二四四頁)。明治十五年、予高野登山の途次…
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