青空文庫

「樹木とその葉」の感想

樹木とその葉

じゅもくとそのは

18 自己を感ずる時

18 じこをかんずるとき

作家の日常内省自己認識叙情的静謐

書き出し

生の歡びを感ずる時は、つまり自己を感ずる時だとおもふ。自己にぴつたりと逢着するか、或はしみじみと自己を噛み味つてゐる時かだらうとおもふ。さういふ意味に於て私にとつては矢張り歌の出來る時がそれに當る樣である。それも、うまく出來て呉れる時である。歌が思ふ樣に出來る時は萬事萬物すべてが無意味でなくなつて來る。自分を初め、自分の周圍に在るすべてがいきいきと生きて來る。自分を中心としてめい/\が光を放つてゐ

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