青空文庫

「モスクワの姿」の感想

モスクワの姿

モスクワのすがた

あちらのクリスマス

あちらのクリスマス

初出:「婦人サロン」1931(昭和6)年12月号

作家の日常歴史的背景異国情緒叙情的懐古静謐

書き出し

モスクワに着いてやっと十日めだ。一九二七年のクリスマスの朝だが、どういうことがあるのか自分たちには見当がつかない。ソヴェト同盟で、街じゅうが赤旗で飾られるのは春のメー・デー、十一月の革命記念祝祭などだ。クリスマスそのものが、誰の降誕祭かと云えばイエス・キリストで、眼の丸かった赤坊ウォロージャ(レーニン)の誕生日ではない。ロシア語はろくに読めないが、国立出版所で插画が面白いから買った本が一冊ある。題

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