青空文庫

「春桃」の感想

春桃

チュンタオ

初出:「近代文学」2、3号、1946(昭和21)年2、4月

創作背景文壇交友文学批評異国情緒分析的回顧的懐古

書き出し

一情報局、出版会という役所が、どんどん良い本を追っぱらって、悪書を天下に氾濫させた時代があった。日配が、それらのくだらない本を、束にして、配給して各書店の空虚な棚を埋めさせた。今から三年ばかり前は、その絶頂であった。本らしい本をさがす心と眼とは、駄本の列の上に憤りをもって走ったのであった。そういう時期に、都電が故障した偶然から、神明町のわきの本屋へ入った。何心なく見まわしていたら、「春桃」中国文学

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