青空文庫

「闇夜の梅」の感想

闇夜の梅

やみよのうめ

鈴木行三68
下町風土古典の翻案文壇交友叙情的回顧的

書き出し

一エヽ講談の方の読物は、多く記録、其の他古書等、多少拠のあるものでござりますが、浄瑠璃や落語人情噺に至っては、作物が多いようでござります。段々種を探って見ると詰らぬもので、彼の浄瑠璃で名高いお染久松のごときも、実説では久松が十五、お染が三歳であったというから、何うしても浮気の出来よう道理がござりませぬ。久松が十五の時、主人の娘お染を桂川の辺で遊ばせて居る中に、つい過ってお染を川の中へ落したから御主

1 / 0