わたしのこと
初出:「時事新報」1920(大正9)年8月5日号
書き出し
生活の外側は、元の通り至って平穏無事である。けれども内部は異って来た。新らしい世界が開けて、自分に来たものは、所謂落付きでもなければ、理解でもない。一層の知り度さである。時々自分の心を顧て、今までの総ての過去が、その内容の貧弱でのみ思い出されるような事がある。真個に一人の人間が知り得る丈の事を知り、感じ得る丈の事を感じて、其処から力の及ぶ限り何物かを見出して行き度いものだと思わずにはいられない。非…
善蔵を思う
樹木とその葉
東京小品