わかすぎとりこ
ある遊郭での出来事
あるゆうかくでのできごと
公娼存廃論者への参考資料としての実例
初出:「婦人公論 第十年八号」中央公論社、1925(大正14)年8月1日
雨の回想
あめのかいそう
初出:「婦人文藝」1934(昭和9)年9月号
19双之川喜41さんの感想
祭りの赤い万灯が 雨に濡れて赤いしずくを 落としているのが 思い出される。 わずかな里ぶち(扶持)にもかかわらず 純朴な愛を そそいでくれた 里親 の心の尊さを しみじみと 懐かしむのである。
浅間山麓
あさまさんろく
初出:「都新聞」1934(昭和9)年7月28~29日
艚埜臚羇1941さんの感想
城は だいたい 高所に 造られる ものだけど 長野県の 懐古園の 城は 穴城と いって 千曲川の 水利を 巧に 利用して 造られて おり このような 築城法は 古来 あまり 例を 見ないと いう。若杉の 宿は 医院と 併設 されており 院長は 大丸髷の 美人である。ここ 信州(長野県)千曲川の ほとりは 別荘地だけ ではない 旧跡も 遺された 詩情 あふれる 山裾で ある。
独り旅
ひとりたび
初出:「詩精神」1934(昭和9年)9月
65c8aadc88adさんの感想
川喜 浅間山麓の あたりの 旅の途中で その昔 偶然に 同行することになった 女性のことを 思い出したりする。その人とは 楽しく 交わした会話に 初対面なのに 共通の友人が 話題にのぼったりして 思いがけなく 楽しく 過ごした ひと時が 偲ばれる。それぞれに 人には 時に 羨ましい 出会いが あるものだと 想った。
古鏡
ふるかがみ
初出:不明
梁上の足
りょうじょうのあし
烈日
れつじつ
彼女こゝに眠る
かのじょここにねむる
母親
ははおや
棄てる金
すてるかね
新しき夫の愛
あたらしきおっとのあい
牢獄の夫より妻への愛の手紙
職業の苦痛
しょくぎょうのくつう
旧師の家
きゅうしのいえ
筑波山の麓に 筑波根詩人と 呼ばれている 著者の師匠の 横瀬夜雨が 住んでいる。折り紙を 手土産に そこに 若杉は 訪れた。小さい子供達に 土産を 差し出すと「けっけっけ!」と 笑って 悦んで くれたという。同郷でも 会える機会は 少ないのである。