童貞記
どうていき
初出:「山桜」1934(昭和9)年7月号
約3分
いちにいさんの感想
処女と童貞は平行線を行く
彼女の名前を呼ぶだけで、2人は交わることができる。
しかし、彼が彼女の名を呼ぶことはそれはそれは一生一代の重い重い重大な大仕事なのだ。
それが、童貞の童貞たる所以なのだ。
幼稚園児は好きな異性を故意に苛める行動を起こすものだ。それと童貞の行動は似ている。
全ての行為が恥ずかしいのだろう。
嫌われたらどうしよう?とか、正しい性交の仕方を知らず自信がない。相手も処女ならお互い気にする必要はないのだが、失敗を恐れるのだろう。
過去の自分を思い出せ!貴様も俺も同じだったはずだ!
童貞に性交は麻疹みたいなものだ、といっても理解しないだろう。
恐らく夢のような至福の時を未だ知らぬ性交に思いを馳せているのだ。